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あなたとふたり
第15章 心は空っぽ
「〜〜っ、康太っ!!!」
聞き慣れた声に驚き私は
咄嗟に康太から離れた。
「!!!優ちゃん!
なんで!?」
「お前っ!なんで遥香に抱きついてんだよ!」
優ちゃんは私の声は
聞こえていないのか
康太の胸ぐらを掴む。
康太は全く動じず
涼しい顔で優ちゃんを見つめている。
「…なっ。なんなんだよ。その目はっ。」
「お前が他の女に目移りしてるからだろ。」
「はぁ?してねぇーよ。」
「だったら!!」
康太の声が大きくなる。
「……だったらなんで…
遥香は泣いてるの?」
その声に優ちゃんは
胸ぐらから手を離し私の方を向く。
「…遥香?」
凄く切ない顔をして…
私を見つめる。
「違うの…これは…」
はぐらかそうとする私に
康太は告げる。
「違うことないだろ。
なんで隠すんだよ。」
「……違っ…」
声が出なかった。