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あなたとふたり
第18章 あの日の出来事
俺は何で…どうして…
あいつを放っておけなかったんだろう…。
大切なものを置いてまで…
『優っ!』
涙で黒く滲んだ顔の玲奈を見て
俺は無意識に体が動き
玲奈を抱きしめていた。
いつも男勝りでサバサバして
弱みなんて見せたことない玲奈が
小さく俺の腕の中で震えている。
ほんの二ヶ月前に…
玲奈の気持ちを聞いた俺はなぜか
『守ってやりたい』
と思った。
俺のそばでそれ以上に
守ってやりたいものが
あったのにも関わらず…。
遥香のあの悲しそうな目が
一時も離れなかった…。
わかってくれると信じていた…。