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あなたとふたり
第18章 あの日の出来事

俺の手も玲奈の手も震えていた。

お互い解っていた。

越えてはいけない…過ち。
いけないことをしていると解っていた。



玲奈を下にし、俺は玲奈を見下ろす。

玲奈の目は今にも泣きそうなほど
赤くなっていた。


「…怖いなら…無理すんな…」

「…そっちこそ」

「はぁ?」


「優。震えてる…」


そう。さっきから俺の手は
震えが止まらなかった。


遥香以外抱く事は
俺にとっては想像していない。

その親友を先に抱こうとしている事実。



好きでもない奴を…。

好きでいてくれていた奴を…。



俺は震える手で玲奈の頬を撫でる。


「俺はお前を愛していない…


本当にそれでも…お前は幸せか?」



その言葉に玲奈は
大粒の涙を一つ流し

小さく頷いた。


「…わかってる。

でも、それでもいい。」



その言葉を聞いた後、
俺はもう一度キスをした。


「…お前は綺麗だ。

大丈夫。


玲奈は綺麗だよ。」


抱きしめると玲奈は背中に腕を回し
きつくきつく俺に、しがみついた。
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