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あなたとふたり
第26章 男同士の約束
「優ちゃ…ん。…っ。優ちゃん…」
玄関のドアを隔てた向こう側で
遥香が泣いている。
俺はその場にしゃがみ込み
情けなくも涙が止まらなかった。
「…っくそっ。」
拒絶の行動を示さないと俺はまた
遥香を抱きしめてしまう…。
一度抱いただけでは物足りない。
壊してしまいたいほど…愛おしい。
しばらく俺はその場から動けず…
玄関先でうずくまっていた。
いつの間にか遥香の泣き声も聞こえなくなっていた。
俺はさっきまで遥香が寝ていたベッドに
体を沈めシーツをクシャッと握りしめた。
遥香の香りがほんの少し残っていた。
それだけで昨日のことが
現実だったんだとまた俺の心をくすぶる。