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after five
第3章 純潔の女
直樹が久美子と別れた直後に電話が鳴った。

江沼恭子からの着信である。


「なんだ?」

『お、小田さん…悪いけど会社に戻ってきて欲しいのよ』


申し訳なさそうな恭子の声は、普段のエッジの利いた声ではない。

「…こんな時間にか?明日は土曜で休みだから構いわしないが…遅くなるぞ」

『だ、大丈夫よ…大事な話なの…ごめんね…』

「…わかったよ…待ってろ…だが、時間がかかるからな」

『うん…』


電話を切って駅に向かって歩き出す。

バーが暗黒街にあるため、危険ながらも裏路地を通って近道をするのだが…


「だ、誰かぁ!」


(女の子の悲鳴?)

微かに聞こえた悲鳴の方角に向かって直樹は走っていくと、


寂しげな建物に挟まれた暗い路地で男女が争っていた。

ガラの悪い男3人に制服姿の女の子が絡まれている。


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