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after five
第4章 恐い女
「この男かい…代書屋と吊るんで多額の経費を請求する野郎はっ」
愛は堂々と腕を組み、すっぴんの面構えで言い放った。
顔は強張っていないが、恐い印象を与える。
「主任…どういうことですか?」
直樹は恭子を見る。
恭子は俯いたまま視線を逸らした。
「恭子ちゃんと同期だか同級生だか知らないけど、何百万という金が経費で消えてるわ…小田直樹…あなたの名でね」
「会社の金は必要なことにしか使ってません。代書屋さんに連絡していただいても構いませんよ」
直樹は冷静さを装った。
実際、何十万も二川に請求を水増しさせ、懐に入れたのだ。