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第11章 秘密の香り

さっきの名刺が頭から離れない…



キスをし身体を求めてくる敦…


私じゃあ
物足りなかったのかな…


離れていて寂しかったから…？



私の秘密に比べたら
可愛いものなのかもしれない…



そういうお店でのことに
傷つくのだから…


もし敦が
私と圭吾さんのことを知ったら


もっと傷つくだろう…



「桃香…どうした？」

首筋に顔を埋めていた敦が
心配そうに私を見た



無反応過ぎたかな…



「ごめんなさい…」

ぽつりとつぶやいた


「何が？もう眠い…？」


ぎゅうっと敦を抱きしめた


「苦しいよ…桃香…」



ちゅ…


くちびるが重なり
敦の手が器用に洋服を脱がしていく


温かい手が
身体に触れて
全身の力が抜けていった…。