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秘密の香り
第12章 秘密の痛み
「体調はどう…?」

「薬が効いてきたみたいで…だいぶいいです…」

ソファに深く腰掛けて抱き合いながら話す

「桃香ちゃん…」

「はい…」

「話したいことがあるんだ…」

話したいこと…

「はい…」

私は身体を離し圭吾さんを見つめた

「以前…結婚していたんだ…」

胸がざわつく…

「離婚をしたのは…」

少し沈黙が続いた…

「向こうに…他に好きな人ができて…」

聞くのが辛い…

「ごめん…こんな話…」

圭吾さんの元奥さんは…
私だ…

私が離婚を切り出せば…
敦は傷つく…

圭吾さんが傷ついたように…

私は何も言えず…
次の言葉を探したが
的確な言葉は見つからなかった…

「ほんと…ごめん…」

「いえ…」

圭吾さんの手が私の頬を撫で
私は圭吾さんにくちづけをした…

誰にだって過去はある…

圭吾さんはずっと…
言えずにいたんだろう…

私と会うたびに
過去の辛さが蘇ったのだろうか…

秘めた想いが…
秘めたこの関係が…

誰よりもあなたを傷つけていた…


「ごめんなさい…」

私はくちびるを離し
圭吾さんの耳元でつぶやいた…。































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