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秘密の香り
第8章 秘密の行為
お手洗いは広くて
中に洗面台があった

手を洗おうとして
ハンドソープに目が止まった


これ…
圭吾さんが買ったのかな…

私も一度買ったことがある

女性に人気の
オーガニック化粧品メーカーの商品…


一気に不安が襲う


以前お付き合いしていた人かも…

もしかしたら
本当は彼女いるのかな…

もしいたとしても
何か言える立場ではないよね…






リビングに戻り
圭吾さんにお礼を言って

ソファに戻った



やっぱり落ち着かない…



「私にも何か手伝わせてください」

キッチンへ行くと
パスタが茹で上がっていた

「もうできるよ、座って」

笑顔で圭吾さんが言う



色鮮やかなサラダ

カルボナーラ

かぼちゃのスープ


いい匂い…
美味しそう



「いただきます」

ふたりの声が重なった



ゆっくり食事を味わう

お互いの目を見て

美味しい、と言い合う



すごく幸せ…



こういう風に
食事を楽しみたかったな…


ふと
敦との食卓が浮かんだ



「おかわりは?もうお腹いっぱい?」

「はい、もうお腹いっぱいです…とても美味しかったです、ごちそうさまでした」

笑顔で返す

「桃香ちゃんが作ってくれたティラミスは後でいただこうか」

「そうですね」


ふたりで食べたくて
作ってきたティラミス


美味しいって言ってもらえるかな…。




















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