この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あなたの面影
第9章 危険な罠
一仁さんに縄で縛られ、誰にも言えないような体験をしたあの夜。
彼は自分を信じろと言い、私はそれを受け入れた。
その決意に嘘はない。
私は一仁さんを信じている。
だけどそれは聡志を忘れて彼を愛するという意味ではない。
私は包み隠すのをやめ、彼にそう答えた。
『あなたは信じる。だけど……聡志を忘れることはできない』と。
彼は静かに頷き、『瑞波が俺を信じてくれるなら、俺は瑞波を信じる』と答えてくれた。
自分でも最低だと分かっている。
そんな最低の私なんかを信じてくれる一仁さんに申し訳ない。
だけど忘れられない。
聡志が戻らないから忘れて、彼に似てて愛してくれる一仁さんを選ぶなんてことは出来ない。
馬鹿げてるし、あり得ないとは思う。
だけど心の問題なんて合理的に解決出来るものじゃない。
今の私は沢山の『だけど』で埋め尽くされていた。
彼は自分を信じろと言い、私はそれを受け入れた。
その決意に嘘はない。
私は一仁さんを信じている。
だけどそれは聡志を忘れて彼を愛するという意味ではない。
私は包み隠すのをやめ、彼にそう答えた。
『あなたは信じる。だけど……聡志を忘れることはできない』と。
彼は静かに頷き、『瑞波が俺を信じてくれるなら、俺は瑞波を信じる』と答えてくれた。
自分でも最低だと分かっている。
そんな最低の私なんかを信じてくれる一仁さんに申し訳ない。
だけど忘れられない。
聡志が戻らないから忘れて、彼に似てて愛してくれる一仁さんを選ぶなんてことは出来ない。
馬鹿げてるし、あり得ないとは思う。
だけど心の問題なんて合理的に解決出来るものじゃない。
今の私は沢山の『だけど』で埋め尽くされていた。