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あなたの面影
第11章 『あなた』
私は聡志の顔を見る。
彼の顔には戸惑いと贖罪の念が溢れていた。

「瑞波……」

彼は私の手をそっと外す。

「逢えてよかった……もうここには住んでいないと思っていたから……じゃあ」

聡志はそう言って立ち上がる。

ここに住んでるに決まってるでしょ……
あなたが帰ってくるときここにいないと分からないと思ったからずっとここにいたんだよ?

一人で過ごすクリスマスも、聡志が笑いながらチキンを片手にやって来るんじゃないかと期待して待っていたんだから……

桜の咲く季節は二人で見に行った近所の公園に一人で一日中いたんだよ?

少し離れたところの花火大会も一緒にベランダから見たじゃない? 私は一人で三回もベランダで見てたんだから。


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