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あなたの面影
第11章 『あなた』
読み終えるとともにディスプレイに水滴が落ちた。
丸い粒のようなそれはきれいな模様を作っていた。
一仁さんの愛を受け入れた矢先に聡志を引き留めて泊めさせるような女なんだ、私は……
一仁さんに愛してもらう資格なんて、ない……
私は何度も一仁さんに返信を書きかけて消去する。
なんて書けばいいのか、わからない。
いや、私がどうしたいのか、まるでわからない……
言い訳を書き綴っては消し、理由を告げずに別れることを書き綴っては消し、嘘を書いては消し、ありのままを書いては消した。
「やめろっ……」
突然そう言われて私は文字通り飛び上がってしまった。
そして反射的にスマホをベッドの中に隠した。
しかし声をあげた聡志に動きはない。
丸い粒のようなそれはきれいな模様を作っていた。
一仁さんの愛を受け入れた矢先に聡志を引き留めて泊めさせるような女なんだ、私は……
一仁さんに愛してもらう資格なんて、ない……
私は何度も一仁さんに返信を書きかけて消去する。
なんて書けばいいのか、わからない。
いや、私がどうしたいのか、まるでわからない……
言い訳を書き綴っては消し、理由を告げずに別れることを書き綴っては消し、嘘を書いては消し、ありのままを書いては消した。
「やめろっ……」
突然そう言われて私は文字通り飛び上がってしまった。
そして反射的にスマホをベッドの中に隠した。
しかし声をあげた聡志に動きはない。