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あなたの面影
第12章 傷の深さ
「じゃあ今はその彼と」
「ううん。その人とはすぐ別れちゃって、また新しいカレシができて、また別れてって感じで。今のカレシとはまだ一ヶ月ちょっとくらいかな」

最後だけ本当の嘘話を淀みなく言い切った。

「そうなんだ。なんて言うか……良かったね。いい人だといいね、その彼は」
「うん。すごくいい人だよ」

聡志は憑き物が落ちたように静かに笑って立ち上がる。

「じゃあ……俺、帰るね……さよなら、瑞波」
「うん。ごめんね……」

これでいい。
聡志は私に罪悪感なんて感じず、別れられる。

出来れば薄情な奴とか言って私を恨んでね……

多少寂しいかもしれないけど、それは私を置いてけぼりにした罪滅ぼしだと思ってね……

私だって三年間寂しかったんだから……

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