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あなたの面影
第13章 笑顔の別れ
「温かい……」

夜風に冷えた身体の中で、彼が入っているそこだけが温かかった。

「俺を押し倒すとか度胸あるな」

一仁さんは暴れ馬のように腰を荒っぽく跳ね上げる。

「んんっ!!」

ずしんと重い衝撃が走った。
ベランダだからあまり声は出せない。
それをいいことに一仁さんは好き放題突き上げて私を困らせた。

月明かりに照らされた一仁さんはとても美しかった。
うっとりと蕩け出した表情だけど、目だけは鋭いままだ。

「きれいだ、瑞波……」

腰を掴み、逃げられないようにして腰を突きあげて来る。

「一仁さんもっ……綺麗ですっ……」

中腰が耐えられなくて、彼の上に崩れる。

「好きだ……瑞波……愛してるよ……」
「わたしもっ……愛してます……」

揺れながら私たちはキスをした。
舌を絡めあい、粘液も絡めあい、胸を密着しながら時を忘れていた。


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