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《番犬》が女に戻るとき...
第10章 見舞い
少しの沈黙が続いたあと
「…っ…長居しすぎた」
時計を見た茜がそう言った。
まだ熱い紅茶をなるべく急いで流し込む。
「火傷しないでよ?」
零が心配するほどにだ。
彼女はこのあと用でもあるのだろうか。もうなかなかに遅い時間帯なのに。
「…茜さん、これからどっか行くの?」
「ああ、少し用がある」
「──まさか、男の家じゃないよね」
「お前じゃあるまいし…っ…!!」
疑いの眼差しを向ける零に彼女は怒鳴り付けると、コップをキッチンに返してさっさと部屋を出ていってしまった。
《お前じゃあるまいし…っ》
「……俺」
茜がいなくなり
閉められたドア