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《番犬》が女に戻るとき...
第11章 カリスマな御三人
思えば、停学明けのあいつと会ったのは今朝が初めてだった。昇降口に駆け込んできた篠田と会ったのも偶然だ。
改めて礼を言っておこうか…そう考えていてのに
手紙を受け取った時のあの反応が癪に触った。
想像だが、篠田はああいうのを喜ばない奴だと思っていたからかもしれない。
「…その子から手紙、篠田はもらって嬉しそうだったよ」
「まぁっ…そうだったの?」
弁当を食べ終わった梗子が、包みを広げながら茜の言葉に反応する。
「そっか…なら、これで二人がお付き合いするようになったら素敵ね」
「…うん」
茜の目が、飲みほした後の牛乳パックを意味もなく凝視していた。
イライラが止まらない
だが、それはけっしてカルシウム不足などではないはずなのだ。