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《番犬》が女に戻るとき...
第13章 球技大会 ~汗と鉛と、苛立ちと~

【お昼休憩】
「茜さんお疲れさま♪」
「…うん」
各々の弁当を手に、優勝チームのねぎらいが行われている4組の教室。
玉子焼きなのか、スクランブルエッグなのか…
弁当を陣取るよくわからないその料理を、茜はしげしげと眺めていた。
しかし、普段は鶏肉だけのその場所にある黄色い食べ物は視覚的に新鮮で、これはこれでありかなと納得しておくことにした。
「わたしも見たわよ、茜ちゃん」
別のクラスの梗子もそこにいた。
よく見れば1組の女子達が他にも数人、すっかりこのクラスに溶け込んで一緒に昼食をとっていた。
…自分達のクラスも男子がバスケで優勝したのに。
「梗子ちゃんは4組にいていいの?」
「そーよぉ、1組だって男子頑張ってたし」
「ぜったい1組の男子たち、梗子さんにほめられるの待ってるよ?」
不思議に思った周りの友達が梗子にそう言うと、彼女は困った顔でいたずらに笑う。

