この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
《番犬》が女に戻るとき...
第16章 新婚生活 開始!?
「このネコたち、俺がひきとっちゃ駄目ですか」
「え!?」
「──…!!」
彼の提案は、久藤家親子を驚かせる。
零はかまわず続けた。
「俺ってネコが好きすぎて好きすぎて…好きとおりこして愛してるんですけど、そう、このネコたちにも一目惚れしました。もう可愛すぎて我慢できないです」
「だけど…」
「篠田…っ」
こいつ、設定を忠実に守るな…っ
嘘をついた茜の方が恥ずかしくなってくる。
「大切に育てます、お母さんさえよければ」
「それはわたしも助かるわ…でもねぇ」
会った直後で飼い猫を譲るなど
しかも相手は学生だ。
母が迷っていると
零からわざとらしい溜め息が
そして彼は項垂れた。
「ああっしまった…!! 引き取りたいのに、そういえば俺のマンションはペット禁止だった」
「なんだよわざとらしいな」
「世話もかかさずできる自信はあるのに…!! 連れて帰ることができないなんて…!!」
茜の突っ込みをスルーして嘆く零の演技は続く。