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《番犬》が女に戻るとき...
第19章 警戒
「なんか機嫌悪くないか? お前…猫にひっ掻かれでもしたのか」
「…ネコ、か。そうだね…いつも手を焼いてるよ」
「おい!?」
茜は手から制鞄を落としてしまう。
「‥ッ」
有無を言わせず
扉に押し付けた彼女に零がキスをしたのだ。
両手で茜の顔を挟んで固定している。
「…篠田……!! ま、て…」
茜の脚の間では、零の脚がドアを突いている。
よって動くことができない。
....チュッ
“ なんのつもりで…っ ”
「…ハァっ…なんだよ!」
「だって…もっと触れていたくて。俺の可愛いネコちゃんに」
「…!? 私はネコじゃないだろうが…」
「いや、ネコだよ。ホントは凄く可愛いのに、なかなか素直になってくれない」
俺は、俺だけのネコに会いにきてるんだ
零は彼女を捕らえたまま囁く。