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《番犬》が女に戻るとき...
第24章 クリスマスを君と…
「…あ、の…っ」
「──何、戸惑ってるの? 」
グッ‥‥
少しずつ手に力が籠る…
梗子は半歩、後ずさった。
そんな彼女をハルクが嘲笑う。
「僕みたいな男を家に連れ込んだんだ、覚悟はできているんだろう? 番犬のいないお姫様は──」
「……?」
「──…悪い輩に狙われるのがお決まりだ」
「…っ」
ブラックな笑みが貼り付いた彼の顔は、思わず流されそうになるほどの美貌だ。
梗子の手首を自分の顔の横まで引き上げたハルクは、そこに高い鼻で僅かに触れた。
細めた目で梗子の様子を伺いながら
唇をそっと押し付ける──。
「…ハルク、くん?……ッ」
腕を引っ込めたい梗子が力を入れるも全く動かず、代わりに身体が近付いてしまう。
片足がつま先立ちになった。
「何する気なの?」
「天然のフリするなら、直接教えるよ」
「──え? あ‥いやッ」
おっとりとした梗子がいまだ状況に追い付けないでいると
ハルクは唇を開いて、ゆっくり舌を差し出した。