この作品は18歳未満閲覧禁止です
《番犬》が女に戻るとき...
第26章 訣別
そして数分後
彼のもとに駆け寄る女の子──。
ホワイトダッフルのコートに、ミモレ丈のフレアースカートが清純な印象のその女性は、誰もが振り向く美少女だった。
魅力的な彼氏には、やはりそれに釣り合う彼女がいるのだな…
周りの人々はそんな事を考えた。
「お待たせ。──…茜ちゃん」
高音の甘い声で《彼》に声をかける美少女。
「──…」
それに反応して顔をあげた《彼》
帽子で隠れていた表情が現れて、返事をする代わりに口許が微笑んだ。