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《番犬》が女に戻るとき...
第27章 デートですから
ひとまずは、皿におさまる程度にとどめて席に戻ろう。
二人が料理を取り終わると、同じタイミングで注文していたドリンクが運ばれてきた。
お任せで頼んだカクテル
グラスの中は透明で、外の夜景が透けて見える。
「…茜さんが、透けてる」
「──…!? …、一瞬 びっくりした…!!」
そのカクテルは美しいグラデーションになっており
上の層だけがライトグリーンで
浮いているのは赤い果実。
──飲み物までクリスマス仕様だった。
「……じゃ、そろそろ」
「ああ」
グラスを掲げた零
「 Merry Christmas ──…俺の、ネコチャン」
「──…」
同じようにグラスを持った茜は
思わず彼にぶっかけてしまいそうになったけれど…ちゃんと、堪えて。
カチン...
小さな音で乾杯した後、ゆっくりとカクテルを口に含んだ。赤い果実とともに───。