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第28章 ──…逃げるな

結局、茜は高級ホテルのビュッフェレストラン…全料理制覇を達成した。

心配していたスイーツだったが、ひとつひとつがとても小さく、また甘さ控え目なものが多かったので予想ほど苦労しなかった。


『旨いなこの…チーズケーキか。甘味と酸味がちょうどいい…』


律儀にそして真剣に──味わいながらコメントを残す彼女を、見守る零は愉快そう。



『ではここで問題です』


『──』


『そのスフレチーズケーキ、香り付けに使われているお酒は何でしょーか。制限時間は３０秒』


『…は？』


『不正解もしくは無回答の場合、このまま茜さんを俺の家まで連行します。

はい いーち、にー、さーん』


『なに言い出してんだ！』


『身の安全は 保証致しかねます』


おい…っ




......





ﾌﾞﾌﾞｰ