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《番犬》が女に戻るとき...
第29章 ハダカの心
「──…篠田は臆病者だ。ズカズカと遠慮なく私のテリトリーに入り込んでおいて…
私が振り向いた途端に、自分の殻に閉じ籠もる」
「…茜さん。どうして、そんなに拗ねてるの」
「怒っているんだ!」
剥いでも、剥いでも
無数のベールに守られた篠田の心は、いつまでも謎のまま。
もういいから
飽きたんだよ、いいから…早く見せろよ。
「本当に…知りたいの? 」
「……っ」
零の首を絞め上げ、無理やり引き留めていたバスタオル──それに、彼は片手を添えた。