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《番犬》が女に戻るとき...
第5章 因縁
「──…っと」
「・・・・・・あ?」
「この手をどかしなよ」
「──…、お前…っ」
茜の腕をつかんだ不良の手を
横から現れた男がパシリと叩く。
「こ、の、手、だよ……!!」
「…いッ…」
グキッ...
嫌な音がしたかと思うと、不良は慌てて茜の腕を離し、手首を庇いながら後退した。
「──…篠田…!」
「…あっ、名前で呼ばれた♪」
制服姿でカバンを肩にひっさげて登場したのは
まぎれもない《噂の凰鳴生》
篠田 零 だった。