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『うぅ』としか鳴けない
第24章 支配される側 フリートーク
落ち着いた雰囲気、多分30に近い年齢。

どこか灯子に似た匂いがする女性。和装の似合う、澄子。

澄子の人生は波瀾に充ちていて、現実のものとは到底思えないものだった。

澄子の母、妙(たえ)は、銀座のホステスだった。
容姿端麗な妙は、多くの顧客を持つ、銀座屈指のホステスであったが、彼女もまた、不遇の女だったという。

妙が産み落とした澄子は、愛人の子。認知されることもなく、澄子の誕生後すぐ、澄子の父は他界した。

女手ひとつで育てていくために妙は、店を辞め、違う土地で小料理屋を始めた。

どれだけ人気があって、どれだけ持て囃された妙でも、そうそう上手くいくはずもなく、食べていくのがやっとの生活だった。

そんな母の苦労を見ながら育った澄子。




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