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第1章 序章

テロを何度も起こし国を混乱させた混血の魔人は歴史に穢れを残した。


だが、その魔人を倒した勇者の名は現在も燦然と輝いている。

その勇者は貴族出身の警察官。
聖剣を手にし、征伐隊を指揮した後に国民から圧倒的な支持を得て皇帝に抜擢された人物である。



誰もが知っているこの国の英雄譚であり、歴史書籍として数多く存在する。



だが、『LawとChaosの間』によると真の英雄たる人物が、どの歴史書にも記されていない、と綴られる。

警視庁征伐隊の鬼退治と称した妖魔残党狩りに最後まで反対したひとりの陸軍将校こそが本当の英雄だというのだ。


その人物こそ『LawとChaosの間』に登場する主人公であり、石田尚樹の目指すヒーローである。