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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第15章 第四話【花笑み】 《其の壱》
その一人右京局は権中納言藤原久(ひさ)前(さき)卿の息女であった。もっとも、右京局のお付きとはいえ、永瀬は大勢の女中の中の一人で、生まれもさほどのものではなかった。そこを、先代御年寄滝川に認められたのだ。
ちなみに、右京局は側室に迎えられた一年後、男児を一人あげたものの、その若君は生後一ヶ月で早世した。宮家から降嫁した御台所も一人の御子もなさず、今一人、絶世の佳人と讃えられた大和中納言大和(やまと)親(ちか)通(みち)卿の姫君を迎え、左京局と称したが、こちらもついに御子には恵まれなかった。
ちなみに、右京局は側室に迎えられた一年後、男児を一人あげたものの、その若君は生後一ヶ月で早世した。宮家から降嫁した御台所も一人の御子もなさず、今一人、絶世の佳人と讃えられた大和中納言大和(やまと)親(ちか)通(みち)卿の姫君を迎え、左京局と称したが、こちらもついに御子には恵まれなかった。