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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第16章 第四話【花笑み】 《其の弐》
 美空の私室を訪れた家俊は、いつになく上機嫌であった。丁度、そのときには徳千代、孝次郞、それに末の凜姫もそれぞれ乳母に連れられてきていた。
 嫡子徳千代は既に正式な世嗣として西ノ丸で起居し、次男孝次郞と凜姫は大奥で育てられている。徳千代は五歳、一年違いの孝次郞は四歳になった。徳千代は相も変わらずやんちゃ好きで、庭の樹に登っては守役やお付きの女中の度肝を抜き、心配させている。孝次郞もまた大人しく、幼いながらも思慮深いところは変わらない。
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