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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第16章 第四話【花笑み】 《其の弐》
その言葉に、家俊があっという顔になった。
端整な面に烈しい驚愕と衝撃が走る。
美空は良人の前に両手をついた。
「ご無礼の数々はどうか平にお許し下さいませ。さりながら、皆が質素倹約に励んでいる今だからこそ、上に立つ私たちが自ら身を正してゆかねばならぬときかと存じます」
家俊から、しばらく言葉はなかった。
奢侈禁止令を出しておきながら、自分の妻には豪華な笄を贈ったことを、その妻自身からやんわりと戒められたのだ。