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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第16章 第四話【花笑み】 《其の弐》
「そうか」
 家俊は頷くと、桜の笄をあっさりと袂にしまった。
「お怒りになられましたか?」
 美空が問うと、家俊は笑った。
「いや、いかにもそなたらしい応えだ。確かに上に立つ者、ましてや、倹約令を出した俺自身が奢侈に耽っていては示しがつかぬな。俺の短慮であった」
 家俊は機嫌を損じる風もなく、穏やかな表情で桜を見ている。
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