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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第16章 第四話【花笑み】 《其の弐》
「御台さま。私も信じられませぬ。この大奥に参りしときより、矢代には眼をかけて参りました。その働きぶりも影陽なたなく、与えられた仕事はすべてきちんとこなしていますし、下の者には気遣いのできる優しい気性にございます。矢代は、けして、役者遊びをするような不埒な行いをするような気性ではございませぬ」
「あい判った。そなたほどの者がそこまで申すからには、矢代と申す御客会釈の人間に間違いはなかろう。それにしても、一体誰がいかようにして老中に訴え出たのか」
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