この作品は18歳未満閲覧禁止です
激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第17章 第四話【花笑み】 《其の参》
「一生に一度の恋―」
美空は惚(ほう)けたように呟く。
「このようなことをお訊ねするのはどうかとは存じますが、御台さまは恋をなさったことがおありにございますか」
唐突に問われ、美空はハッと我に返った。 六年前、初めて家俊と出逢った日のことをありありと思い出したのだ。家俊のいたその場所だけが回りから切り離されていたような、そこだけが輝いて見えたような気がした。
ひとめ見た瞬間から始まった恋は今もまだ続いている―。