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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第18章 第四話【花笑み】 《其の四》
初瀨と特に仲の良かったという御三の間勤めの奥女中が三日前、突如として暇乞(いとまご)いをして実家に下がったという。あろうことか、その奥女中瑞音(みずね)は老中堀田筑前守誓頼の姪に当たるというのだ!
奥方との間に娘のいない堀田老中は、この姪を娘のように可愛がっていた。面妖なのは、瑞音が奉公に上がったのが、つい半年ほど前、つまりごく最近ということである。突如として大奥に現れ、また、矢代事件が起こるのとほぼ時を同じくして、かき消すように姿を消した。
奥方との間に娘のいない堀田老中は、この姪を娘のように可愛がっていた。面妖なのは、瑞音が奉公に上がったのが、つい半年ほど前、つまりごく最近ということである。突如として大奥に現れ、また、矢代事件が起こるのとほぼ時を同じくして、かき消すように姿を消した。