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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第18章 第四話【花笑み】 《其の四》
「されど、こたびのこと、堀田が仕組んだ罠だと公に証明することは難しかろう。そなたの話には不自然なところはないし、推量も当たってはおろうが、何せよ、証拠がない。証がなければ、堀田を断罪することはできぬぞ。それに、そなたの申すとおりであれば、矢代とやらの罪は真実なのであろう。堀田がなしたことは、矢代の罪を明らかにするための手段―つまり、苦肉の策と取れぬこともない。裏腹に、矢代の罪は罪として裁かねばならず、その罪をなかったことにすることはできぬ」