この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第18章 第四話【花笑み】 《其の四》
「上さまも仰せのごとく、残念ながら証拠がございませぬ。堀田どのの姪の瑞音という娘についても、瑞音が初瀨を唆したと、はきと証言できる者は誰もいないのです。それに、堀田は堀田なりに、ご政道のためを思い、風紀をただし、幕府の財政難を救おうとしたことにございます。あの者は策謀家にはござりますが、心底から上さまに忠誠を誓い、信頼するに足る者と存じますゆえ、こたびのことは上さまへの忠心からなしたことと理解するしかございませんでしょう」