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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第18章 第四話【花笑み】 《其の四》
良人家俊から恋心を打ち明けられた時、贈られた大切な想い出の歌だ。家俊は柿本人麻呂の詠んだ恋の歌に自分の美空への想いを託したのである。
この料紙に書かれた歌は、美空自身の手蹟になるものだ。いかにも女性らしい繊細で濃やかな筆遣いはなかなかの達筆といえた。
尾張藩主のご簾中となって以来、美空は教養を身につけることを第一に心がけた。家俊がわざわざ京から呼び寄せた上﨟女房飛鳥井を師とし、古典を読み、字を習い、琴さえ学んだ。
この料紙に書かれた歌は、美空自身の手蹟になるものだ。いかにも女性らしい繊細で濃やかな筆遣いはなかなかの達筆といえた。
尾張藩主のご簾中となって以来、美空は教養を身につけることを第一に心がけた。家俊がわざわざ京から呼び寄せた上﨟女房飛鳥井を師とし、古典を読み、字を習い、琴さえ学んだ。