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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第18章 第四話【花笑み】 《其の四》
町家上がり、色香で家俊を籠絡した、したたかな女、成り上がり者と蔑まれ、冷たい眼ばかりの中、家俊と智島がいなければ、美空はとうにそれらに負けていただろう。尻尾を巻いて逃げ出していただろう。
武家の世界は美空にとって、それほどに未知の世界であったのだ。
と、家俊が笑いながら首を振った。
「いや、そなたはたいした女よな。あの堀田筑前に一泡吹かせてやったそうではないか」
「智島にございますね。全っく、あのお喋り」