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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第18章 第四話【花笑み】 《其の四》
矢代の死が江戸に伝えられたのは、つい数日前のことである。
囚われの身となり、目付の詮議を受けた矢代の身柄は翌日にははや大奥から引き出され、大伝馬町の牢へと入れられた。処分の内容は〝長年の大奥にての忠勤により死一等を免じ、流罪〟というものであり、更にその半月後には信州の高遠へと護送されることになった。捕縛された当日にはもう処分が決まっていたにも拘わらず、それほど長く牢に入っていたのは、身柄の預かり先を探していたためであった。
囚われの身となり、目付の詮議を受けた矢代の身柄は翌日にははや大奥から引き出され、大伝馬町の牢へと入れられた。処分の内容は〝長年の大奥にての忠勤により死一等を免じ、流罪〟というものであり、更にその半月後には信州の高遠へと護送されることになった。捕縛された当日にはもう処分が決まっていたにも拘わらず、それほど長く牢に入っていたのは、身柄の預かり先を探していたためであった。