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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第18章 第四話【花笑み】 《其の四》
矢代自身が死を招くことになっても、この恋を貫きたいと言った、その矢代の一途な恋心をまっとうさせてやることもまた情けである。ひと度は家俊にそう言いながらも、美空の心にはやはり、割り切れない感情がいまだにわだかまっていたのだ。
暗澹とした想いに沈む美空の耳を、静かな声が打った。
「一生に一度の恋と胸を張って言えるほどのものなら、恋に生きるのもまた良いのではないか。美空、そなたが俺にそう言ったのだぞ?