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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第4章 《其の参》
―玉ゆらに 昨日の夕 見しものを 
     今日の朝に 恋ふべきものか―

 随明寺の絵馬堂の前でこの男から聞いた恋の歌が脳裡に甦る。
 そう、この男に自分はたった一瞬で心奪われた。一生、この人の傍にいると自分で決めたことなのに、どうして、その人の心を片時でも疑い、信じることができなかったのか。
 美空は、このときほど我身の心の弱さが口惜しいと思ったことはなかった。
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