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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第5章 《其の四》
 食べたくないときは無理に食べる必要はないが、今日の美空のように空腹で倒れるまで何も口にしないのはゆきすぎだとたしなめられた。ゆえに、美空は粥などの汁気の多い食べやすいものを工夫してこしらえ、食することにした。
 同じ長屋に住むお民もしょっ中顔を覗かせ、〝蜜柑なら食べられるだろう?〟と言って、籠に山盛りになった蜜柑を差し入れてくれたりする。孝太郎もあれ以来、弁当を持って出かけるのは止め、昼には美空の様子を見がてら、飯を食べに帰ってくることになった。
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