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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第5章 《其の四》
「親父が死んだ」
 孝太郎はすべての感情を呑み込んだような瞳で美空を見ている。
 よもや、たったそれだけの言葉が美空のこれからの生涯を一転させてしまうことになると、その時、誰が予想し得ただろうか。
「孝太郎さんのおとっつぁんがお亡くなりなすった―」
 親の死は子にとって重大事である。良人の衝撃も当然のことだと、美空は納得した。常にない顔色の悪しきも、そのせいに相違ないと。
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