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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第5章 《其の四》
―私には、この男でなければ駄目。
 今更ながらに思わずにはいられない。
 もし、不運にも孝太郎が馬の蹄に当たっていたらと考えただけで、美空は怖ろしさに身震いした。
 そう、どうして忘れていたのだろう。
 半月前、孝太郎の子を宿したと知った日、美空は他ならぬ孝太郎に言ったはず。
―私には、あなたがずっと傍にいて、あなたの顔をこうして毎日見ていられる―そのことがいちばんの幸せなんだから。
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