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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第5章 《其の四》
「達者でおやりよ」
 水仙の花束を差し出しながら、お民は笑った。引きつったような奇妙な笑顔にふと違和感を憶えたけれど、よくよく見れば、お民の眼は濡れている。無理に微笑もうとしたゆえ、かえって顔が強ばってしまったのだろう。
 と、お民の隣の源治がお民をつついた。
 源治につつかれ、お民は苦笑いを浮かべる。
「お、お元気でいらっしゃって下さいな、あれっ、違うか」
 自分で言いながら、慌てている。
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