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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
 眼が醒めれば、そこは見慣れた長屋で、隣には良人孝太郎が眠っていて、良人はありふれた小間物屋で、いつも大きな荷を背負って江戸の町を歩いているはずだった。
 そう、美空が惚れたのは小間物屋の行商人、ただの孝太郎であったはず。それが、まさか良人が尾張藩主であったとは。美空がいまだに悪い夢を見ているのだとしか思えなくても、致し方ない。
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