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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
以前、嫡子徳千代を生んでまもない頃のこと、徳千代が夜泣きをして愚図ってばかりいて、添い寝する美空は、ろくに眠れない夜が続いていた。それゆえ、寝不足が溜まり、つい昼間に小さな欠伸をしてしまったのだが、それがいつしか尾ひれが付いて、奥女中たちの間では悪意を込めた取り沙汰がされていた。
―御簾中さまは昼日中から、大きな欠伸をなさっておられました。
と、その日の中には奥向きの女たち皆が知るところになるだろう。