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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
いかにも心許ないと言いたげな唐橋の後ろから、誰かが言った。
「唐橋さま、智島さまは何しろ〝千人力〟のお方でございますもの。智島さまお一人に私たちが束になったとしても敵いませんわ」
その言葉に、智島の頬にさっと朱が散った。
智島が千人力―というのには、いわくがある。智島の前夫は離縁語後一年して、母方の遠縁に当たる娘を妻に迎えた。その結婚もまた母親の強い意向があったらしい。その妻は智島とは打って変わった従順な大人しい娘で、姑も前夫も大いに気に入ったらしい。
「唐橋さま、智島さまは何しろ〝千人力〟のお方でございますもの。智島さまお一人に私たちが束になったとしても敵いませんわ」
その言葉に、智島の頬にさっと朱が散った。
智島が千人力―というのには、いわくがある。智島の前夫は離縁語後一年して、母方の遠縁に当たる娘を妻に迎えた。その結婚もまた母親の強い意向があったらしい。その妻は智島とは打って変わった従順な大人しい娘で、姑も前夫も大いに気に入ったらしい。