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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
これには、唐橋も顔色を変えた。
「何を言いがかりをつけると思えば、誤解もはなはだしい。何ゆえ、その者がご簾中さまにそのようなことをする必要がある? 何より、そこの者はこの尾張さまに初代さまの御世よりお仕えするれきとした譜代の家臣の娘、氏素性正しき者がそのような下賤な者どものような短慮なことをするはずがござりませぬ」
侍女の身分の方が元を正せばご簾中よりも高いのだと―どこまでも棘のある科白に、智島がますます柳眉を逆立てた。
「何を言いがかりをつけると思えば、誤解もはなはだしい。何ゆえ、その者がご簾中さまにそのようなことをする必要がある? 何より、そこの者はこの尾張さまに初代さまの御世よりお仕えするれきとした譜代の家臣の娘、氏素性正しき者がそのような下賤な者どものような短慮なことをするはずがござりませぬ」
侍女の身分の方が元を正せばご簾中よりも高いのだと―どこまでも棘のある科白に、智島がますます柳眉を逆立てた。