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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
「ご簾中さま」
 智島が泣きながら美空を見上げる。いつしか励ますはずの智島が美空に慰められている。
 こんなところも智島が美空という女性を類稀だと感じる理由の一つだ。人の心を読み、その機微を察して気遣いのできる、機転の利く聡明な女性である。到底、裏店育ちの娘とは思えない―、否、大切に育てられた深窓の姫君ではないからこそ、ここまで他人に対しての優しさを持つことができるのかもしれない。
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